インドMIM社について
MIM加工
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MIM加工は、樹脂成型法のもつ高い形状自由度と鍛造法のもつ優れた強度・品質の双方を兼ね備え、複雑な形状寸法の部品を安価に製造するのに適した方法です。MIM加工は、通常、4つの独立した工程(混合・混練、成型、脱脂そして焼結)から構成されており、最終段階として仕上げ工程を入れる場合と入れない場合とがあります。
粒径20um以下の微細な金属粉は、熱可塑性樹脂及びワックスバインダーと正確な比率で混合されます。金属粉末とワックスバインダーの体積混合比率は、およそ60:40です。コンパウンドは特別の混合装置に入れ、バインダーが軟化する温度に加熱されます。コンパウンドは、個々の金属粒子がバインダーによって均一に被覆されるまで機械的に混合されます。冷却後のコンパウンドは、さらさらしたペレット状態になり、原材料として射出成型機械で取り扱うことができるようになります。
MIM加工における射出成型は、装置的にも技術的にも樹脂の射出成型と変わりがありません。ペレット状の原材料は、機械に投入され、加熱した後に高圧で成型化金型に注入されます。成型物(この段階では「グリーン」と呼ばれる)は、冷却後、機械から排出されます。これが1サイクルとなります。溶けるのはバインダーだけなので(軟化したバインダーが金属粉末を運ぶ)、どの工程もおよそ200度以下の温度で十分です。 金型は生産性を上げるために、マルチキャビティー(多数個取り)にすることができます。金型(キャビティー)のサイズは、焼結工程で成型物が収縮することを考慮して、約20%大きくしておきます。この縮小率は、個々の金属に対して、正確に把握されています。
脱脂工程は、成型された加工対象物からバインダーを取り除く工程になります。通常、この工程は、いくつかのステップから構成されています。焼結工程の前に大部分のバインダーを取り除きます。しかし、焼結工程において加工対象物を焼結炉に入れる取り扱いを容易にするため、バインダーの一部は残しておきます。バインダーを除去する方法には各種ありますが、もっとも一般的なものは、溶媒抽出です。バインダーが除去された加工対象物は準ポーラスな状態であり、焼結工程において残っていたバインダーは、加工対象物の内部から容易に放出されることになります。
脱脂体は、セラミックの治具の上に載せられて、内部雰囲気が調整された高温焼結炉に入れられます。脱脂体に影響しない雰囲気中でゆっくりと加熱して、残留バインダーを追い出します。バインダーを追い出した後、加工対象物はさらに高温に加熱します。その結果、金属粉末が相互拡散して金属粉末間の空間が埋められます。加工対象物は、設計通りの寸法にまで等方的に縮小するとともに、緻密な固体となります。焼結密度は、多くの材料において理論値の97%以上になります。このように、焼結後の密度が非常に高いため、鍛造法で作られた金属と同様の特性値が得られます。
要求仕様によっては、焼結工程の後、仕上げ加工が施されます。一般の金属同様、物理的な特性の向上を目的として、熱処理を施すことが可能です。焼結を終えた状態での寸法精度以上の寸法精度が要求される製品に対しては、さらに機械加工を実施します。製品が高密度であるため、メッキやコーティングを施すことも問題なく可能です。また、溶接や冷間圧接等の機械的な接合手法も適用可能です。